『冬のないカレンダー』の外伝、『彼女たちのメモワール』のお話を“謎のSS書きさん”から頂きましたので掲載させていただきます。
今回の主役は
前回の『メモワール』のエントリーの際にちょっとだけ触れたあの女の子です。実は彼女との出会いは、ということで、はてさて…?
【Original Short Story 彼女たちのメモワール(回想録) ~和葉~ ”出会いのフラグ”】「行こうぜ彼女」
「だから、私はあなた達と出かける気なんてないんです!」
「いいじゃん、一人寂しい日曜日を俺達が華やかにしてやろうっていうんだからさ」
もぅ、しつこい!
駅前で一人ウインドウショッピングをしてた私に声をかけてきた男のグループ。
明らかにナンパだってわかる。
まぁ、ナンパされるほど私が美しいのはわからないもでないけど、しつこいのはすっごく迷惑。
それに、こーゆー手合いってのは絶対下心ありまくりなんだから。
「もう待ち合わせの時間だから、放っておいてください!」
「いいじゃんかよ、そんなの」
「それに、どうせ待ち合わせなんて口から出任せだろう」
「本当ですっ!」
「それじゃぁ、待ち合わせの相手が来なかったら俺達とでかけようぜ」
しまった、待ち合わせは誰ともしてない。
このままだと逃げるタイミングが・・・
「待たせた」
「え?」

突然後ろから声をかけられ、私は驚いた。
「そーいうわけで、俺の連れだから」
後ろを振り向く私、そこには私と同じくらいの男の子が立っていた。
その男の子の顔が私に近づく。
「遅れてすまん、それじゃぁいくか。
あわせてくれよ」
最後にぼそっと伝えてくれた言葉、その意味を瞬時に理解する。
「おい、てめぇ。俺達が先に目を付けたんだぞ! 横取りするな」
「先にって・・・つきあいは俺の方が長いんだけど」
「今日は諦めろ、俺達が先約だ」
「といってるけど、どうする?」
そこで私にふるか! そうつっこみたいけど、私は別な言葉を紡いでいた。
「遅れたせいでこうなったんだぞ? 責任とってね」
「だそうだ」
うーん、私って役者に向いてるのかな
「てめぇ!」
ナンパしてきた男が拳を振り上げる。
「あら、痴話喧嘩かしら?」
「やだわぁ、カップルを男の子達が囲んでるわ」
「警察に連絡しようかしら」
近くを通りがかった女の子二人連れがそんな会話をしていた。
なんだか声が不自然に大きい。
その会話に、回りを歩いてた人もこちらに注目する。
「くっ!」
ナンパグループはその雰囲気に飲まれたのか、逃げるように立ち去っていった。
「あ、あの・・・ありがとうございました」
「いいから逃げた方が良い」
「え?」
お礼を言った私に対して助けてくれた男の子は、逃げるように促した。
一体何から逃げるの?
「あらあら、最後の詰めが甘いわね、祐介」
「そうよ、ここは少しの間つきあってあげないと、演技がばれちゃうでしょう?」
「え、え?」
さっき大声で会話してた二人連れの女の子がいつの間にか側に来ていた。
「・・・すまない、手遅れだった」
「どういうことなの?」
「そうよ、祐介君。何が手遅れなのか私も聞いてみたいな」
「勘弁してください、おばさん」
「・・・ねぇ、キミ。私を助けてくれた事はお礼言うわ。ありがと。
でもさ、こんなに若い女の子におばさんはないでしょ?」
おばさんっていう言葉に思わず私は反論してしまった。
こんなに若くて綺麗な女性をおばさん扱いするなんて、最低な男よね。
暴漢から助けてくれるっていうフラグが立って好感度があがったのにこれじゃぁ下がりまくりよね。
「・・・はぁ」
男の子はため息をついた。
その横でさっきおばさんと言われた女の子がなんだか目をきらきらさせている。
「ねぇ、キミ。名前はなんて言うの?」

「え? 西脇、です」
その迫力に思わず名前を名乗ってしまう。
「違うの、名前よ、な・ま・え」
「か、和葉です」
「和葉ちゃんね・・・気に入ったわ。私たちねこれからケーキバイキング行くところなのごちそうするわ、一緒に行きましょう! いいでしょ、朱音」
「そうね、なんだか面白そうだから一緒に行きましょう、和葉ちゃん」

「え、え?」
「すまないな、野良犬に噛まれたと思って諦めてくっ!」
「何言ってるの、祐介。こんなに綺麗な女の子を野良犬扱いするなんて。私はそんな風に育てた覚えは無いわよ?」
頭を思いっきりはたかれた男の子はその場にうずくまってしまった。
「ほら、祐介。いつまでへこんでるのよ。行くわよ!」
「和葉ちゃんも行きましょう」
「は、はぁ・・・」
なんだかよくわからない展開になってきた。
だけど、いくつかわかったことがある。
今日はケーキバイキングに行くことになることと。
それと・・・
「そうそう、和葉ちゃんだっけ? 祐介に恋しちゃだめよ?」
「祐介君は私の将来の息子なんだから」
えっと、これって何のフラグ?
私の恋のフラグかと思ったけど、何か違うフラグが立った気がした。
「え、えーーーっ!!」
その後のケーキバイキングのお店で聞かされた事実。
彼がおばさんと呼んでいたその理由を聞いて私は大きな声を上げてしまったのは良い思い出・・・なのか?
そして、彼、苗穂祐介君と、おばさんと呼ばれてた人の娘、深浦雪奈ちゃんと会うのは高校に入学してからのことだった。
挿絵で、和葉よりもママさんズ二人の方が子供っぽく見えるようになっているのはわざとです(笑) 実際、和葉についてはブタベの中では『可愛い』よりは『綺麗』のイメージなんですよね。ちなみに、和葉の胸については不問にしておいてください(を
それにしても、出会った瞬間から息ぴったりな辺り、(恋愛のフラグはともかく)友達になる運命はあったのかな、と(^^)
たゆんたゆんな女の子(違)ばかりで、絵を描いていて楽しいお話でした♪
○
自分の都合上、という意味合いが強いですが、『メモワール』の過去ログです。
『彼女たちのメモワール ~朱音~ ”乾杯”』(4月25日付)
『彼女たちのメモワール ~春乃~ ”酒杯”』(5月13日付)
『彼女たちのメモワール ~和葉~ ”出会いのフラグ”』(7月17日付)
>冥界の性神官様
おかしい…本人の紹介では「品行方正な優等生神官」のはずなのに…邪念だらけだというのか(^^;ブタベストPERFECT GIRL…?No Titleこんばんは、いつも見ているゾ。
>担当声優沢澤砂羽さんの声は演技力高くて中毒性がありますねー。
冥界の性神官様ェ・・サツキヒスイ冬が始まる…よ?もうすぐ春ですねぇ、と春分直前に言う人ついに春になってしまいました…返信できてなくてすみませんです。
> なぜか不正な投稿扱いに…なんでだ
むむ、すみません。
イマイチFC2ブログのセキュリティの網はブタベスト冬が始まる…よ?ようやく寒くなってきましたコメントを書こうとしたらなぜか不正な投稿扱いに…なんでだ。
恐ろしく暖かいかと思えば急激に寒くなったりと変動が激しいですね。
こちらも文章や改造絵が遅々としてひでやん