【Original Story 『晃と弓奈の、これからの夏』 by やまぐう様】(18禁)

先日、やまぐう様作のチアガール娘・長谷弓奈のお話は三部作になっている、ということを書きましたが、今回、後編の準備ができましたので、本日公開させていただきます。
切ない想いを抱えたまま、夏本番を迎えた二人。さて、二人の恋の行方やいかに…?
例によって、
前編 『サイドポニーのチアガールさん』
中編 『晃と弓奈、互いの想い』(18禁)
をお読みになっていない方は、そちらをお読みになってからご覧頂けると幸いです。
【Original Story 『晃と弓奈の、これからの夏』 by やまぐう様】(18禁)
昨日、野球部の夏が、晃の夏が終わった。予選大会がはじまる前に弓奈へ宣言したとおり準々決勝まで進出できたが、そこまでだった。相手は着実に加点していき、こちらは二点を返しただけで、結果は十対二。完敗だった。スタンドで応援してくれたみなへ一礼したとき、晃の目は弓奈の泣き笑い顔をしっかりと見てとっていた。
野球部の練習は三日間、休みとなった。
自主練するのは許されていたが、負けた翌日はさすがにまだ気持ちが切り換えられなくて晃は動く気になれなかった。練習しようぜという誘いが来なかったのは、他の連中も同じ気持ちだったのだろう。夏休みになってから初めての連続した休みだから遠出しているヤツもいるかもしれない。
そんなことをつらつら考えていると、弓奈から『学校で会いたい』というメールが来た。具体的な用は書いてなく、さてどうしようかと思ったが、誰とも会いたくないほどに気が滅入っていたわけでもなく、それが弓奈なら気分転換にはもってこいと思い、オーケーの返信を打ってすぐ学校の制服に着替えて出向いた。
「やっほ。元気してた」
「元気だけど……なぜにそれ?」
遠目にその姿を捉えたときから怪訝に思い、にこにこする弓奈の前まで来て困惑する。
野球部の予選は終わったのにチアガールの格好で弓奈は待っていた。見慣れた姿だがそれを着なければいけない理由はない。他の部の応援をするのは秋になってで、今は晃同様、オフになっているはず。
晃がもう一度聞こうしたら弓奈は強引に彼の手を引いて歩きだし、しゃべらせてもらえない。先導する少女は部室棟に入って、あれよあれよという間にチア部の部室に連れこまれた。
「おいおいおい、男がここに入っちゃまずいだろ」
ドアの前まで来てあせり、そのまま連れこまれてしまって晃は泡を食っている。女の聖域なのだから当たり前。
「いいの。今日は誰も来ないから」
確かに誰もいない。というより誰かいたら晃が入ってきたとたんに大騒ぎになるだろう。
やっぱりチア部も、野球部が敗退したことで休みとなっている。だからここに女子がいない。それはわかるが、そうすると弓奈がチアガールの衣装を着ている理由がわからない。
「わたし、晃とふたりきりで話がしたかったんだ。ここなら絶対邪魔が入らないから、落ち着けるでしょ」
「落ち着けると思ってるのかよ……」
きちんと整頓されていて、男の目に危ないものが散らかったりしてないが、ここは禁断の花園。弓奈しかいないのに、女の子の匂いで満ちているように感じられる。露骨に鼻をひくつかせるわけにはいかないから、意識して普段通りに呼吸する。
「野球部も、いよいよ晃の代になるんだね」
「ああ。まだ全然実感ないけどな」
弓奈の言葉に意識がそっちへ向かい、静かに答えた。
これから固まっていく新チームのことを考える。三年生が抜けて、戦力ダウンは当たり前。それはどこの学校も同じだ。今まで控えだった面々がどれだけ頑張れるか。伸びそうなヤツはいる。だから、ひょっとしたら来年は今年より上を……。
自分のいる場所を忘れて晃が思いに耽っていると、
「キャプテンは晃じゃないの?」
チアガールが瞳を覗きこむようにして聞いてきた。
「俺じゃないよ。俺なんかがやったら、ぼろぼろになる」
「そうかなあ? 晃が適任だと思うけど」
「ずいぶんと買ってくれるじゃんか」
にいっと歯を見せると、弓奈が顔を突き出すようにして。
「もちろん。私、ずっと晃を見てきたからね」
そこで急に弓奈の様子がおかしくなった。今まで合わせていた目線を逸らし、おどおどと、落ち着きをなくしている。
「わたし、野球部が準々決勝まで進んだら、晃に言おうと思ってたことがあるの」
「なんだ? 誉めてくれるのか」
弓奈が落ち着きのなさが伝播してきて晃もそわそわと、つっけんどんな返事をしてしまう。
途端に、むっとした顔が返ってくる。
「言葉通りにまで進んだのは偉いと思う。でも、違うよ」
「じゃあ、なんだよ」
晃の胸に、もやもやが生まれていた。弓奈の態度じゃない。自分自身のことだ。せっかく弓奈に応援してもらって、準々決勝まで進めたのは上出来とはいえ、もっと頑張れたのではないかという悔い。それが胸にもやっていた。
一瞬、ときがとまる。
ふわっと空気が揺れる。
「わたし、晃が好き。晃のカノジョになりたい」
「っ!」
ポニーテールを揺らしながら、直球の告白。もやもやに惑っていた晃はバットを合わせることができず、見逃したわけでもなく、弓奈の言葉は心の真ん中に吸いこまれた。
「……お、俺!? でも長谷って、前に、好きなヤツは、い、いないって」
「それは、晃の他にはいないってことだよ」
弓奈は赤い顔で唇をせっかちに動かし、言い連ねてくる。
たわいもないおしゃべりのなかに、好きな人はいるかという会話もあった。晃が特に意中の人はいないと言えば、わたしもいないよと弓奈が答えた。どちらかにでも付き合っている人がいたら、こんな気の置けない仲になれるはずがない。そう晃は思っていた。
「す、好きだから、晃を応援したんだよ」
「そ、そうか。ありがとう」
可憐に羞じらうチアガールの前で、晃は声を上ずらせ、ピントはずれなことしか返せない。心がぐらぐら揺れていて、なにが起こっているのか実感がない。
気が動転し動悸もする晃の前で、弓奈は頬を赤くしながらにこにこ。
「うふ。やっと言えた。私、告白するときはこのユニフォームを着てって決めてたんだ。勇気が出るから」
チアの服を着ている理由がようやく明らかになったが、晃にとって、もはやそれはどうでもよかった。告白されたという事実こそ、大事だった。
「……そ、それで晃は、わたしのことどう思ってるのかな」
いつもはきらきら輝いている瞳が、濡れている。一秒前のにこにこ顔が打って変わって、どうしようもない不安を浮かべている。
不安にさせているのが自分ということに気づいて晃はさらなるパニックに襲われる。
心のなかでなんとか思いを組み立て、口に出せたのは、
「お、俺は長谷が……好き、だよ。気が合うし、もし、カノジョになってくれたらいいなあって、考えてた」
承諾の返事。
「ほんと?」
「うん」
こくりという彼のうなずきに、弓奈の顔が喜びに輝く。
「じゃ、じゃあ私、今日から晃の彼女で、いいんだよね」
「も、もちろん。俺が弓奈の彼氏だ」
言いながら、まだ実感が湧かず、晃は自分の言葉がとても遠くへ響いているように聞こえた。
「よかったぁ。それなら、うん」
弓奈の目の色が変わった。素直な喜びに混じってなにかが新しく生まれてきている。晃にはそう見えたが、それがなにかはわからない。
そろりと動く。その身のくねりかたも、今までの付き合いでは見たことがないものに変わっている。
ズキッと下腹に来た。頭でわからなくても、男の体が先に理解した。
ドキッと心臓が跳ねる。今まで弓奈に対して妄想していたこと、彼氏彼女の関係になるのよりももっと生々しいことを、弓奈はしようとしているのではないか。
「ねえ、晃だって、興味あるよね……」
弓奈は元気のいいチアガールにはふさわしくない艶かしい目つきをすると、ゆっくりと衣装の上をたくしあげていく。
「きょ、興味って……」
言葉ではぼやかしながら、晃の目はまさに興味に光っている。
手があがるにつれ雪のように白いお腹の肌とおへそが見え、さらには、大きなふくらみを包んでいる下着も曝け出された。
「これ、いつもつけてるブラと違うんだ。応援のときは見せてもいいブラだけど、これは、晃のために、晃にだけ見せたいものなの」
可愛らしい顔を上気させ、熱くささやくように言う。
「魅力、ある?」
「……ああ。魅力の固まりだ」
問われた晃の頭はとっくに沸騰していた。彼女彼氏の関係になっただけでなく、ブラジャーに包まれた胸を進んで見せてくれたのだから。
これは夢なんじゃないか。オナニーしながら眠ってしまって見ている淫夢じゃないか。そんな思いが生まれてくるほどだった。
「それにね、ほら」
弓奈は男心を直撃する微笑を浮かべ、背もたれのないシンプルなベンチに横座りすると、
「今日は晃と会うだけだから、アンスコ穿かなかったよ」

スコートのなかを晒す角度に身を横たえ、大事なところを隠している下着をちらっと見せつけた。
晃の口のなかがカラカラに乾く。ぎらつく視線はショーツへ固定された。
(……晃、喜んでるよね。わたしのこと、見てるよね)
ブラに続いてショーツまで大胆に見せつけた弓奈の心臓は早鐘を打っていた。あけすけな行為とは裏腹に、息がとまりそうなくらい緊張していた。
弓奈は晃に告白すると決めてから、展開をシミュレートした。気やすく話せる仲だからこそ晃と恋人関係になるのは大変なはず。だったら思いきって事実を作ってしまったほうがいい。こっちから誘惑してしまおうという決心をして、学校に来た。
チア部の部室を場所に選んだのもホームポジションで勇気を出そうと思って。
こちらの告白に晃がとまどうのも予想していた。だがらこそ、畳みかけるように媚びを浮かべて、彼にイヤらしく思われるのも覚悟の上で、恥ずかしいのを押し隠して下着を見せたのだ。
「は、長谷、いいんだよな」
「う、うん」
弓奈の前で晃は息を荒げている。
告白からはじまって、びっくりすることばかり。沸騰した頭でろくに考えることができないうちに、牡の欲望だけが滾りに滾ってきていた。
「長谷っ!」
「えっ!?」
獣と化した晃が弓奈へ飛びかかった。
いきなり襲いかかられて、弓奈は目を見開いた。弓奈の予定では、見せつけてもまだぐずぐずするだろう晃を手取り足取り、少しずつことを進めていくはずだった。晃のなかにある“男”を過小評価していた展開は荒々しい現実に打ち砕かれた。
欲に燃える男の手がブラにかかり、むしるようにしてたくしあげた。
プルンとお椀型の乳房がまろびでる。晃の目が血走り、半開きの口から吐く息が男臭さに濃くなる。
「だ、だめ……お、落ち着いて、晃」
「いいって言ったじゃないか。俺、長谷が好きなんだ。好きなんだよ」
ベンチに押しつけようとのしかかってきた晃から逃げるように、床へ落ちた弓奈は這いつくばった。それこそ牡欲を煽りに煽る動物的なポーズであることに気づく余裕もない。
「は、長谷っ!」
目をぎらつかせて飛びつくと、背後からスカートをめくる。
「きゃあっ!」
甲高い叫びを心地よく聞きながら晃はショーツをずりさげる。

「ちょ、ちょっと晃。急ぎすぎ。だめ、こんなのだめだってば!」
「ごめん。とまれない。俺、長谷とヤリたいんだ」
想像でしか知ることのなかった女性器が目の前に出現した。綺麗とも卑猥とも感じる間もなく、晃はただただ欲情にさかっていた。
オナニーで空想していた弓奈がここにいる。空想していた行為を、実際にする。ペニスを入れたい、弓奈のなかで動かして出したい、気持ちよくなりたい。原始的な本能だけが晃を支配していた。
せっかちにズボンとトランクスを脱ぎ、布地が亀頭に強くこすれた。熱くなったペニスを弓奈の股間に合わせようとして、柔らかな太ももに触れたとたん、
「うっ!」
びゅびゅびゅうっ! びゅく、びゅく、びゅくん。
穴を目指す前に呆気なく、晃は射精してしまった。
「ああ、ああぁっ……」
だらしなく腰をひくつかせ、晃は嘆く。床に白い溜まりを作り、脈動が収まってきたときには悔恨の涙が目にあふれていた。
「うう、や、やっぱり俺、な、なにもできない」
晃の脳裏に準々決勝の試合が蘇っていた。ベストを尽くし、それでも敵に点が入っていくのを見ていることしかできず、バットは空を切り、終わってみればだらしない結果に……。
ぎゅ。
床にぺたりと座りこんで顔を歪めている晃を、背後から弓奈が抱きすくめていた。
「長谷……」
温かな、柔らかな触感に晃の顔がくしゃくしゃになる。
「いいんだよ。一度や二度、できなくたって、またチャレンジすればいいの。試合だってそうでしょ。どうしても負けられないときに頑張ればいい」
優しく吹きこまれきた言葉に、また涙を流す。
「でも、俺、長谷にひどいことをしようとして……ひとりで出して」
「ひどいことじゃないよ。びっくりしたけど、して欲しいと思ったの、私のほうだもん」
弓奈は彼の後頭部におでこをくっつけて、じっとしている。
優しいときが過ぎて晃の涙がとまり、情けなさも流れ消えていくと、弓奈はことさら明るく吹きこむ。
「ね、もう一回やろうよ。今度はあせらないで、私に……入れて」
最後の言葉を言うときには、さすがに顔を真っ赤にしていた。
晃が振りかえって、熱に浮かれた弓奈の顔に顔を合わせる。
「いいのか? こんな俺で」
「晃に、してほしい」
弓奈が立ち上がる。理性と精悍さを取り戻した晃も立ち上がった。
男の目の前で弓奈は膝に残っていたショーツを脱ぎ捨てた。チアの服にも手をかけたが、
「そ、それはそのままが、いいな」
晃が真っ赤になって言った。手をスコートにかけたままぴたっととまってしまった弓奈へさらに。
「長谷を……弓奈を、チアの格好で抱きたい」
「……晃、私の名前を」
弓奈はスコートから手を離し、両手を胸の前で組んで、彼氏の顔をじっと見る。
晃は恥ずかしさを隠せないが、彼女の視線をしっかりと受けとめている。
「これからは名前で呼ぶ。だ、だめかな」
「いいに決まってるよ! 嬉しいよ!」
弓奈は晃の胸に飛びこみ、陶酔感に浸った。
しばらくして顔を起こし、瞳を輝かせて。
「ねえ。キス、しよう」
「ああ……そういえば、キスもしてなかったんだ」
なにもかも見失って突っ走っていたことを思い知り、それでもなお求めてくれる弓奈へ晃は申しわけなさそうに。
「えっとキスって、どうやるんだ?」
「晃、キスしたことないんだ」
弓奈が、意表を突かれたような顔をする。
晃は子供のようにむくれてしまって、ぷいと横を向く。
「そ、そうだよ。ごめん」
「謝ることないよ。わたしだって、したことないよ」
穏やかな笑顔を見せてくれるから、晃はすぐ子供っぽさを消した。
弓奈が可愛い顔を寄せてくる。
「わたしで練習して、うまくなって」
「俺、弓奈で練習して、弓奈で本番だ。弓奈としかキスしないよ」
「うん。ありがと」
弓奈が静かに目を閉じたのを見て、晃も目を閉じる。
ふたりの顔がどんどん近づいて、鼻の頭と鼻の頭がごっつんこ。
「……これじゃあ、だめなんだな」
晃の顔は、火を吹きそうなほど赤面している。
「うん。でもほら、チャレンジチャレンジ」
衣装そのままに、元気をくれるチアガール。
「顔を傾ければ……こうかな」
もう一度弓奈から迫り、唇同士が真っ先にぶつかるよう顔をひねった。
晃はぎりぎりまで目を開いていて、さくらんぼのような唇が触れるというところで「えいっ」と目をつむって最後は自分から顔を寄せた。
ふわっとした感触が成功の印。
“やったぁ”と思った晃からも弓奈からも押しつけあい、柔らかくて熱い感触をしっかり味わう。
「ぷはぁ」
「はあ、はあ」
初めてのふたりは息をとめていたから、続かなくなったところでせっかくのキスも終わってしまった。
晃の目は喜びに輝き、弓奈の瞳が濡れている。
「これが、キスなんだ。すげえ気持ちよかった」
「わたしも、よかった。晃の唇、熱かった」
見つめあう目と目で通じあう。
もう一度、顔が近づいた。今度は晃が顔をひねって、角度を合わせた。
ちゅ、ちゅちゅ、はむ。
二度目にして、濃厚なキスになった。強く強く押しつけあって、好きな人の感触をよりたくさん得ようとする。
がちっと歯が当たる。でも、気にならない。すぐに力の加減がうまくいき、柔らかな唇をたっぷりと味わうことができるようになった。
二度目のキスが終われば、白い糸がふたりの口をつなぐ。
すぐに三度目へ、さらに次が。ふたりは唇でつながる行為にのめりこみ、数えきれないくらい繰りかえす。
鼻で息をすることを覚え、一回のキスの時間が長くなる。舌を絡めるディープキスまで体験し、一段落つくと、晃はこのあとどう行動すればいいのか迷った。
すると、弓奈がうるんだ瞳で見つめてくる。わずかな強ばりが顔にある。
「あ、あのさ、晃。わたしに、させてくれないかな」
「? いったいなにを?」
「え、えっとね……パ、パイズリ」
どんな男でも悦ばせること間違いなしの単語を、うつむいて言い、そのままカアッと真っ赤になる。
「パ、パイズリ!?」
晃が上ずった声をあげる。まさか、弓奈のほうからそんなことを言ってくれるとは思いもしていなかったのだ。
「だ、だめかな?」
部室に大きくひろがった男の声に弓奈は身をすくめながら上目遣いで尋ねてきた。
晃はまだどもりつつ、それでも精一杯彼女をなだめる。
「い、いや、すごく嬉しくて、嬉しすぎて、びっくりした。でも、いいのか?」
「う、うん。わたしね、オッパイには自信があるんだ。だから、このオッパイなら晃を気持ちよくできると思って」
弓奈は羞じらいで耳まで赤くしながら、思いを訴える。優しい晃に対してなら、事前のシミュレーションが活きてくる。
さらにふたつほど息を吐いて。
「それに、パイズリなら、晃のを、じっくり見ることができるし」
「見たいのか?」
弓奈の言葉に合わせて晃が返すと、また真っ赤に顔を染める。
「そ、それは、え、えと、イヤらしい女の子じゃないよ、わたし。た、ただ、ちゃんと見ておいたほうが、そ、その、入れてもらうときも怖くないかなって、思って」
懸命に言い募ってくる弓奈が可愛いと同時に、処女を失うのはやっぱり女にとって怖いものなのだと痛感する。
そっと手を伸ばして、ポニーテールの頭を撫でる。
「俺からもお願いするよ。弓奈、パイズリしてくれ」
「うん」
にこっとした弓奈の顔を見せられて、愛しさに胸が締まった。弓奈を大切にしたいという思いがふくらんでくる。
一度彼女を抱きしめてから、晃はパイプ椅子に腰かけた。
弓奈は離れたところで晃に背中を向け、チアの衣装を脱ぐ。ずりあがったままだったブラジャーをはずすと、またチアの服を着てから晃のそばへ寄っていく。
「脱いだのに、なんでまた着たんだ」
パイズリなら胸もとを剥き出しにしてていいと思い、問いかければ。
「だって、胸を出すの恥ずかしいし」
「出さないとパイズリできないだろ」
「うん。するときは出すけど、やっぱり……。それに、晃はチアの格好のわたしとしたいって言ったから」
「それは……その通り」
チアガールの衣装は大好きだし、弓奈がそれを着ていれば嬉しい。だからといって生乳と衣装とを比べれば、やっぱり直に見せてくれるほうが……。
晃はそう思い、しかしここは弓奈に任せる。
弓奈はゆっくりと身をかがめ、反りかえったペニスへ接近していく。
「す、すごいね。晃の、これ」
逞しく反りかえる肉刀を前にして睫毛をなんども揺らし、唇を小さく震わせる。
「ま、まあな。そんなに大きいほうじゃないんだけど」
男のシンボルを凝視されて、晃は猛烈な照れ臭さに襲われた。身じろぎしようとしたが椅子にどっしり腰かけていて、できなかった。
もとよりスマートとはいえない肉棒が、可愛い顔のそばにあるから、より醜悪に見えてくる。このままではたまらない。
「見るのもいいけど、パイズリを頼む」
間近に顔を寄せたまま動かずにいる弓奈へ声をかぶせてうながした。
「あ、ごめん」
てへ、と舌を出し、弓奈は弓奈で照れをごまかす。
「じゃあ、するよ……えっと、こ、こんな感じかな」
目もとから頬までを紅に染める弓奈はチアの衣装をたくしあげ、大きなバストを剥き出しにしてペニスを挟んた。
真っ白なふくらみとピンクの突起を目にし、汗ばんだ乳肌が触れてきただけで晃は息を呑む。
「う、うん。すげえ、これがパイズリ。しかも弓奈がしてくれるなんて……」
夢ではない、確かな光景。恋人になった弓奈が一物を挟んでくれる。
「すごく、熱いね」
弓奈は胸の谷間で男のペニスを体験し、感想の言葉を漏らす。
「これから、動かせば、いいんだよね?」
「そうだ」
「気持ちよくなってね」
小さな声でつぶやくと、支え持った手をゆっくりと揺らしはじめた。
「んしょ、んしょ。ど、どう?」
「い、いいぞ。気持ちいい」
「ほんと?」
「ああ、とんでもなく気持ちよくて、出ちゃうかも」
温かい、というより熱いというほどにほてったふくらみがはずむようにしてペニスを可愛がってくれる。初めてだからぎこちないが、ぎこちないほうが良いのではないかと思うくらいにとんでもない快美感が爆発している。
ひとり暴走して床に大量の樹液を撒き散らしたというのに射精感がもりもり湧いてくる。
あれだけ出しているからこそ比較的落ち着いてパイズリを楽しめる。もしなにもないうちにこうして弓奈のバストに挟まれたら、あっけなく漏らして汚してしまったに違いない。
失敗が、先の助けになる。俺の失敗を弓奈が助けてくれる。そんな幸せの美酒に晃は酔いつつあった。
「こうすると、いいって、本に書いてあった」
乳房揺らしに慣れてくると弓奈は口もとをゆるませ、ちょこんと舌を出して、谷間から覗いてきた亀頭の先へ触れさせた。

「うわっ」
ただでさえ巨乳で挟まれて愉悦に浸っていたのに、そこを舌で舐められたのだから晃は脳まで駆け昇ってきた鋭い快感に椅子から落ちそうになった。もし立ったままでパイズリ奉仕をされていたら、がくっとしゃがみこんだはず。
「気持ち、いいんだ。うふっ」
本にあった通りと、弓奈は悦に入る。連続して亀頭の割れ目を舌先で舐めあげ、肉胡桃全体にも舌腹を絡ませる。ぎゅ、ぎゅぎゅうと、窒息させるほどにオッパイを竿に強く押しつける。
「弓奈、ス、ストップ」
「え? どうしたの?」
気持ちよさそうに喘いでいた口から突然に制止の言葉が吐き出され、弓奈はびくっと肩を震わせた。すっと身を引き、蠢動する肉棒が谷間から脱出した。
「変だったの? わたし、だめなこと――」
「違う、違うんだ。もう出そうになって、そ、それで」
動揺して涙目になりかけている弓奈へ、晃は切迫した声で説明する。
感じ入っている顔はそのままで、
「出す前に、そ、その、弓奈とつながりたい。弓奈に入りたいって、思って」
彼氏としての願いを言えば、
「うん。入れて。ひとつになろ」
弓奈は瞬時に涙を消して、嬉しさいっぱいにうなずきを返す。
立ち上がって自分のロッカーまで行き、白い布を取り出した。
それは結ばれるために用意していたシーツ。床に大きくひろげ、寝られるようにする。
「……晃。い、いいよ」
あお向けになり、おずおずと脚を開く。さすがに恥ずかしいのか、太ももが形成する角度は狭い。
純白のなかで顔を上気させているチアガールに晃は見入る。お膳立てが整っている。
なんども息を吸っては吐く。いくらでも昂りそうで、昂るのが怖いから、理性をずっと保つように。
消せない不安をきらめかせている彼女へ、安心させるように大きくうなずき、
「いくぞ」
意志を確かに持ったまま、覆いかぶさる。
弓奈の顔と己の股間とに視線を往復させながら、痛いほどに張りつめている肉勃起の先を秘所へあてがった。
「こ、ここでいいのか?」
想像をめぐらせていたとはいえ、実際の弓奈の構造を知らない晃は自信を持つことができない。割れ目の適当なところに触れても、そこでいいのかわからない。
「も、もう少し下。そこに、穴が、あ、あるから」
言葉で誘導していた弓奈は、思いきって肉茎を握った。握った弓奈も握られた晃も「あっ」と声を出し、手が離れてしまう。すぐに握りなおし、切先を膣口へとあてがった。
「こ、このまま、来て」
「うん。……弓奈、好きだ」
「わたしも、だよ」
入る前に、言うべき言葉を晃は口にした。それこそ理性の残っている証拠。
ゆっくりと腰を落としていく。弓奈の導きに、挿入する角度も保ってもらう。
熱い粘膜の感触に呻く。入り口を越え、亀頭がくるまれ、呻きが大きくなる。
「あ、あ、あ、入って、きてる」
「う、うん。すげえ。弓奈のなかって、こ、こんななんだ」
ほどなくして、柔らかな、それでいて確固たる肉筋の壁にぶつかった。
「そ、それ、処女膜、のはず。晃、お願い。晃のこれで、破って」
男が「いいのか?」と最終確認するより先に女がこいねがった。
「もらう。俺が弓奈の処女、もらうぞ」
弓奈の手が離れた。晃は自分の責任で、体重をかけて腰を沈めていった。

「アアーッ!」
覚悟していたはずなのに、弓奈は絹を裂くような悲鳴を放ってしまう。わかっていたはずなのに、ぽろっと涙がこぼれる。
晃の剛直は壁の真ん中を突き抜け、膣のなかに入りこんでいた。
腰の動きをとめ、小さな声で尋ねる。
「ご、ごめんな。痛いだろ」
「す、少しだけだよ。痛くても、今、晃とひとつになれたから。わたし、晃のカノジョだから」
涙を振りまきながら、健気に言ってくる弓奈。
晃は指先でそっと涙を拭い、なおそのまま動かずにいた。
「……も、もうだいじょうぶ。もっと奥に来て。晃の好きなように、して」
痛みが消えてないのが眉根の歪みでわかる。それと同時に、ずっとこのままでは弓奈の心が納得しないというのもわかった。
「わかった。動くよ」
罪悪感があるものの女穴と結合した気持ちよさが圧倒し、晃はわずかずつ腰を進めていく。
「く、くうっ、くっ」
弓奈は目を閉じ、唇を引き結び、呑みこみきれない呻きを吐く。
晃は慎重に進めていったが、ある地点を越えると、ずるっと滑ってコツンと奥を叩いた。
晃のモノが弓奈のなかに完全に埋没した。
「……入った、ね」
「ああ、全部入った。弓奈のなか、あったかくて、気持ちいい」
温かさだけじゃなかった。処女を失ってすぐというのに、女の本能なのか膣壁が痙攣するように蠢いて肉棒の表面をくすぐってくるのだ。節くれだった男の指を巻きつけてしごくのとはまったく異なるメカニズムでめくるめく愉悦を送りこんでくる。
じっとしているつもりだった晃も男の本能で腰を揺らし、肉棒を出し入れしてしまう。弓奈の口からこぼれる呻きが、いつしか甘い響きを帯びてくる。
「も、もう、ほんとにだいじょうぶ。あ、アアッ。なんか、とっても、いい、感じ」
「弓奈も気持ちいいのか? 感じてるのか?」
「う、うん。わたし、エッチなのかな。初めてで、感じるなんて」
「エッチだろうとなんだろうと、弓奈が感じてくれるの、とっても嬉しいぞ」
色っぽく喘ぐ女の上で男は歓喜し、腰の反復を強める。弓奈は顔をしかめたが、すぐに喜悦の輝きが取って代わる。
晃も幸せと喜びに浸っていたが、だしぬけに切羽つまる。腰の奥がジンジン痺れ、こらえる限界を越えかけていた。
「まず、い。で、出ちゃう」
そう訴えながら、腰をとめられない。彼女とつながる気持ちよさに支配されている。
「い、いいよ。今日は安全な日、だから。このまま、晃の精液、なかに、い、いいの」
燃えあがる官能にとろけた顔で弓奈が言ってくる。男にとってこのうえない言葉を。
なんとか抜こうと考えていた晃の理性が粉々になった。動いていいと思ったそのとき、終わってしまう。
「おおおっ!」
本能で深々と貫き、膣洞の奥にスペルマを撒き散らす。
「あ、ああっ。熱いの、お腹に、当たってる」
精液がひろがる感覚に弓奈が声を震わせる。晃は唇を噛みしめながら腰を小刻みに震わせ、処女を奪ってすぐ膣内にぶちまける素晴らしき愉悦も噛みしめている。
精を出しつくし、ふっと息をついたのも束の間、弓奈を下敷きにしているのが猛烈に恥ずかしくなって晃はさっと腰を引き、身も退ける。
「そこに、ティッシュの箱があるから」
「あ、ああ」
スコートがまくれたまま、秘部を晒している弓奈へまともに顔が向けられず、腕を伸ばしてティッシュを差し出す。弓奈が己の性器を拭い、晃も気づいてペニスを自分で綺麗にする。
弓奈は床に散らばっていた下着をベンチの上に置き、それはそのままにしてチアの服だけを整える。豊かな胸が今はノーブラ。スコートの下も無防備。
晃はパンツとズボンを穿いて、やっと向かいあえるようになった。
「……しちゃったね」
「ああ。弓奈、ひょっとして後悔してる?」
にやけかけていた晃の口もとが引き締まる。どんな責任も取る。表情がそう告げている。
弓奈が晃へ返すのは、笑顔の大輪。
「まさか。とっても嬉しい。だって、わたし晃が大好きだもん」
「ありがとう。俺だって、大好きだぞ」
両手をひろげ、身を合わせ、抱きしめあう。
ちゅっ、ちゅっと唇を軽やかにはじかせてから。
「俺、野球部がんばるよ。今度は、準決勝……いや、甲子園まで行くぜ。だからこれからも応援してくれ」
「任せて。野球部も、晃も応援する。晃に元気をいっぱいあげる」
くすくす笑う弓奈の前で晃は鼻の下を指でくすぐった。
「あとさ。まだ明日と明後日は休みなんだ。弓奈はどう?」
「空いてるよ。……いっしょにいたいな」
「ああ。デートしようぜ」
見つめあい、まぶたが落ち、自然にまた唇が重なる。くちゅ、くちゅと甘い粘着音を鳴らしながら、晃も弓奈も大切になった人の存在を強く感じ取っていた。
晃を健気に応援してくれる弓奈がとっても可愛いですね♪
夏の大会は終わってしまったけど、まだ二人の夏は終わっていません。きっと楽しい夏になることでしょう。
下着を脱いでまたユニフォームを着なおす、まにあっくなチアガールさんのお話でした(^^)
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今回の4枚の絵は、多分今までで一番えちぃものになったかと。ブタベの絵なので、程度が知れているとは言え、半裸のチアガール・サイドポニー、という基本テーマを崩さないまま、色々描けたのでとても満足です♪
こうしていろいろ描けるのは、昨日のお話同様、やまぐう様の文章があるからで、やっぱりブタベは『お話』があってこそ絵が描けるんだなぁ、と強く思います。
弓奈をたくさん描いたので、そろそろいつものポニテさんのオリジナルに戻ろうかな? たまにはツインテールもいいかも。
ん、その前にミズキを一度描いておきたいかも。
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なんだかんだ言って、運動の秋。西濃地方はカラリと晴れたので、昨日は約4ヶ月ぶりにまともな運動をしました。といっても、のろのろと2キロほど走ったりダッシュをしたり、柔軟をしたり、といった位ですが、やっぱりさび付いた体を無理やり動かすのはきついけど楽しい時間で、モヤモヤした気分が吹っ飛んだ感じです。
わざと限界まで攻め込んでしまったので、終わった後に餌付くのはまぁ…ご愛嬌といった感じでしょうか。普段の体調不良のとは違って、こちらはそれほど不快な感じは無いんですよね。高校時代は毎日のことでしたし。
何とか体調を戻して、休日とか、昼勤務のみの日くらいは走れるようになりたいですね。
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清原和博引退。桑田の引退のときも寂しかったですが、こちらも同様。色々毀誉褒貶のあった中で、『野球をやりたい』という一念でやり続けた23年間。ともかくもお疲れ様でした。
膝をゆっくりと治して、また何らかの形でユニフォームを着てほしいですね。
個人的にはどうしても『かっとばせ! キヨハラくん』のあの頃のイメージが強いですが…やっぱりあのころが、森西武ライオンズの全盛期だったからなんでしょうね。
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いまさらですが、アトリエかぐやの『プリマ☆ステラ』体験版1・2、プレイしました。まぁ…やる前からわかっていたのですが、思いっきりブタベのツボ突きまくりです(笑) お姉ちゃんにあまやかされまくるの図は本当にもう、至福の時間です。他の女の子たちも可愛くて…うん、新PCが届いたら中古で探してみよう(今のPCだとメモリが怪しいので上手く動いてくれない→『かみぱに!』も進まない)。
本編をプレイしたら、多分雅あたりにはまりそうな気がしますが…さて、どうなるかな~?
♯ただ、何よりも好感が持てるのは主人公かなぁ。むちゃくちゃ熱血でもないけど、さりとて冷めてるわけではなく、大人でもなく子供でもなく。なんか久しぶりに見る普通のこの世代の学生、という気がします。物事の切り替え方があっさりしていて(ところどころ頑固ですが)、見ていてとても楽しいんですよね。この辺は『かにしの』の司に似ているのかも。
最近は、業界全体に『生徒会』『ハイソサエティ』『吸血鬼』かそれに類するものがはやってるのかな? ツンデレに代わる次の主流はまだ見えてませんが…『男の娘』なんてオチは無いですよね?
>冥界の性神官様
おかしい…本人の紹介では「品行方正な優等生神官」のはずなのに…邪念だらけだというのか(^^;ブタベストPERFECT GIRL…?No Titleこんばんは、いつも見ているゾ。
>担当声優沢澤砂羽さんの声は演技力高くて中毒性がありますねー。
冥界の性神官様ェ・・サツキヒスイ冬が始まる…よ?もうすぐ春ですねぇ、と春分直前に言う人ついに春になってしまいました…返信できてなくてすみませんです。
> なぜか不正な投稿扱いに…なんでだ
むむ、すみません。
イマイチFC2ブログのセキュリティの網はブタベスト冬が始まる…よ?ようやく寒くなってきましたコメントを書こうとしたらなぜか不正な投稿扱いに…なんでだ。
恐ろしく暖かいかと思えば急激に寒くなったりと変動が激しいですね。
こちらも文章や改造絵が遅々としてひでやん