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ブタベスト

Author:ブタベスト

埼玉に生息する微えち絵描きです。時々アレな絵が出てきますのでお気をつけください。

●ブタベの絵の基本要素
制服(学園モノ・ウェイトレス服・メイド服)、黒髪ストレート・ポニーテール・ツーサイドアップ、半裸(?)

今はCanvasシリーズ(FC01)とオーガストを中心に描いてるみたいです。

●生態
なんか、最近『フリルの申し子』なる二つ名が付いたり付かなかったり(^^; 大概、絵のどこかにリボンとフリルがありますからね~。
●連絡先
scluge▲●@☆△gmail.com
▲●☆△を抜いてお送りください。なお、返信速度はあまり期待されませんよう。

SSログ
2007年8月~
『桜の中で』 (Canvas 彩)
『咲かずの桜』
 (Canvas 彩)早坂充様
『窓の月』
 (FA 瑛里華)やまぐう様
『三月七日、紗奈(さな)の日』
 (オリジナル)やまぐう様
『暑い日に紗奈と』
 (オリジナル)やまぐう様
『やどりぎ in 白鳳寮』
 (FA 瑛里華)やまぐう様
『やどりぎの枝』 (FA 桐葉)
『逃がすつもりはないから覚悟、し・て・ね♪』 
(冬のないカレンダー)早坂充様
『寂しがり屋の天使』
 (FA かなで)匿名希望様
『どっちが好き?』
 (FA かなで・陽菜)やまぐう様
『紗奈』(Full Ver.)』
 (オリジナル)やまぐう様
『紗奈』外伝 ―彼女と映画を―
 (オリジナル)やまぐう様
『幸運の羽』 (FA かなで)
『紗奈』(Short Ver.)
 (オリジナル)やまぐう様
『去年とは一味違う夏』
 (オリジナル)朝霧玲一様・ブタベ
『スケッチの裏側で』 (Canvas2)
『未来は白にも黒にも(1)』
 (Canvas2)
『エステルが浴衣に着替えたら』
 (明け瑠璃 エステル)やまぐう様
『夏の終わりを楽しむ浴衣』
 (オリジナル)
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03/14

【『FORTUNE ARTERIAL』 Short Story 「ホワイトデーの贈り物」 by やまぐうさん】

Category :
雪が降ったと思ったら、あっという間に春の陽気になったり、何とも忙しいですね~。

三月の真ん中とくればホワイトデー。今回はやまぐうさんから桐葉のお話をいただきましたので、掲載させていただきます。

季節的なイベントは気にしなさそうな“フリーズドライ”こと紅瀬桐葉。さて、今回は…?




【『FORTUNE ARTERIAL』紅瀬桐葉 Short Story 「ホワイトデーの贈り物」 by やまぐうさん】

「いったいどうした? こんなところに呼び出して」
 日曜日、遅く起きて顔を洗った孝平の耳にメールの着信音が響いた。差出人は桐葉。時間と場所を指定し、来てほしいというその中身に、孝平はなんと素晴らしいタイミングとこぶしを握ったものの、図書館の裏というめったに行かない場所を指定しているのに首をひねった。
 だからこそ、先に待っていた桐葉の前に立ったときの第一声が問いかけとなった。
「用事があるからよ」
 アーモンド形の瞳をきらめかせて放つ答えはいつもながらにシンプル。
 三月の半ば、暖かい日も増えてきたが今日は寒さがぶりかえし、桐葉は首にマフラーを巻いている。セーターは学院の制服よりも胸の丸みがくっきりとわかり、孝平の頬が熱を帯びた。そよぐ風が冷やしてくれる。
「だから、こんなところで用事なんて――」
 問いかけの言葉を遮って、すっと差し出されたのはリボンにラッピングされた小箱。
「はい、孝平」
「え?……あ、ありがとう」
 いきなりの出現に孝平は身を硬直させたが、右の手を伸ばすことはできた。急いでもらうことなく、箱に重ねるだけで桐葉に持たせたまま、数秒のあいだ思考をめぐらせた。
「中身は、ひょっとしてチョコレートか」
「ええ」
 もらえて嬉しいプレゼント。しかし孝平の頭には一ヶ月前の、義理も本命もない寂しかったときがよみがえる。
 憎まれ口が飛び出そうになったが、それを呑みこむくらいの慣れがある。
「ずいぶんと遅くないか?」
「いいのよ。最初から、今日に渡そうと思っていたのだから」
 孝平の思いを桐葉はしっかりと受けとめ、バレンタインを意識していたことを白状する。
「バレンタインなどというお祭りに乗る気はなかった。でも、孝平に感謝の気持ちを伝えたいから」そこで息をつないだ桐葉の顔が含羞の色に染まる。
「それに、バレンタインに渡したらホワイトデーのお返しに孝平が頭を悩ませるかもしれない。そんな気苦労は本末転倒。だから今日、渡すの」
「そっか。桐葉らしいな」
 一ヶ月延ばしにするのに一言くらいあってもいいのにと思うが、黙ってひとりで考えて用意するのが桐葉らしい。
 それに、自分だって桐葉になにも言っていない。
「じゃあ、俺の番だ」
「え?」
 孝平は、歩いて来る途中から今もまだ背中にまわしていた左手を前に出す。
「はい、桐葉。俺の感謝の気持ち」
 双眸が見開かれる。またたきながら箱を見て、孝平の顔をじっと見上げる。
「な、なぜ? 私からもらえると先読みしたの」
「まさか」
 珍しく動揺を瞳にちらつかせる桐葉へ、孝平は苦笑混じりのほほえみを送る。
「桐葉がチョコをくれなくても、俺は桐葉といっしょにいられて幸せなんだ。幸せをくれる桐葉へ贈り物がしたくて、それならホワイトデーに乗るのもいいなと思って用意したんだ」優しい目で綺麗な相貌を見返しながら言葉を紡ぐ。
「物に物でお返しとか、そういう杓子定規はやめようぜ。俺は桐葉が好きで、桐葉にプレゼントしたいときにプレゼントする。それでいいだろ」
「……だったらホワイトデーに乗らなくてもいいのではないの?」
「乗るとか乗らないとかもなし。とにかく、受け取ってほしい」
 差し出す手に、有無を言わさぬ力がこもっている。男は意志と気合にみなぎっている。
 桐葉が小箱を受け取り、孝平も桐葉の手から小箱を取って自分のものにした。

s-桐葉28


「ありがとう。とっても嬉しいわ」
「桐葉に喜んでもらえて、俺も嬉しい。もちろん、これをもらえたのもね」
 互いに小箱を見せ合う。孝平の思いが桐葉を明るく輝かせ、桐葉の思いが孝平の胸を熱くする。
「早速……いや、開けるならお茶があるほうがいいかな」
「そうね」
「桐葉、俺の部屋に来ないか」
 孝平の言葉が消えるより早く、桐葉は彼の腕を取って身を寄せていた。“聞くまでもないことよ”と唇が形作ったときには孝平の頭が傾いて、桐葉の黒髪をちょこんと揺らした。ふたつの小箱のリボンも、春の匂いに満ちた風に揺れていた。




孝平の前でだけ見せる素の桐葉、という感じですね(^^)

今回の絵(色塗り前)を描いたのは、ちょうど2月の終わりごろで、ややホワイトデーの時期の絵としてはマフラーやセーターは厚着だったかも。
先日雪が降ったので大丈夫かな、と思ったんですが今日の陽気だとやっぱり春ですね。

桐葉の場合、カラーの枚数は少ないのですが、カラーの時は妙に力の入る不思議(笑)


 

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