07/28
【『FORTUNE ARTERIAL』 Short Story 「彼女のごほうび」 by やまぐうさん】
Category : 絵
先日の桐葉の黒ビキニ絵にやまぐうさんが小文をつけてくれました。いつもありがとうございます。
「ごほうび」もおねだりする相手次第では危険なことに…?
【『FORTUNE ARTERIAL』 Short Story 「彼女のごほうび」 by やまぐうさん】
「なあ、桐葉。俺、模試で頑張って、いい点取るよ」
「いい心がけね」
六年生の夏になり、孝平は目標の大学を定め、日々猛勉強に励んでいる。今日も机で桐葉と向かい合い、数学を教えてもらっていた。
今週末に学外で行われる模試で合格圏に入るのが当座の目標。
「それで、いい点取れたら、ごほうびくれないか?」
「……ろくでもない心がけね」
「だめですか?」
普段は押すことが多い孝平が、ここでは引き気味。引いたといってもあきらめたわけでなく、ちらちらと見上げる目で願い続けている。
「それは、どういうごほうびかに依るわ」
瞬時に切り捨ててもおかしくなかったのは昔のこと。今では孝平を愛しているという自覚を持っているから桐葉も度量のあるところを見せる。
「えっと、実は――」
孝平は、前々から考えていた“ごほうび”を打ち明ける。
遠慮めいた彼の提案に、桐葉はたっぷり一分間考えこんでから、
「いいわ」
受け入れた。
「やったー」
「ごほうびが無駄にならないよう、せいぜい頑張りなさい」
桐葉が彼女らしく励ましたときにはもう、孝平は一心不乱に問題に取り組んでいた。現金な彼氏に黒髪少女は苦笑しながらも、温かく見守る。
桐葉に約束してもらえたのが効き、孝平は夏休みはじまってすぐの模試で予想以上の高得点を叩き出した。このまま行けば安全圏という判定結果を桐葉に見せたときには、ほくほく顔。
「じゃあ、よろしく」
孝平が“ごほうび”を桐葉へ手渡し、桐葉は浴室へ消えていった。

「これで、いいのね。ごほうびって」
「……」
しばらく待つことになるだろうと思っていたら、桐葉はすぐに戻ってきた。自分が用意したものだから知りすぎるほど知っていたのに、孝平は動けなくなる。ビキニの水着はそれ単体ではなんら意味がなく、女が着てこそのものだという当たり前のことを失念していた。
着てもらいたいと望んで用意したのは、単なるビキニじゃない。トップの三角は乳輪を隠すだけの面積しかなく乳丘を露出させる。ボトムはスーパーローレグ、ぎりぎりきわどいところを突いている。いや、前面はぎりぎりだが、背面はアウトと判定されてもおかしくない。
「貴方がごほうびにした理由がわかったわ」
水着ということは聞いていたが、デザインについては今着てみて桐葉も初めて知った。押さえつけられる部分の少なさを皮膚に感じ、浴室の鏡に映した煽情的姿を目で確かめ、しかしため息はつかなかった。孝平が“ごほうび”として要求するものなら、それなりに過激だろうと覚悟していたから。
着ることになった桐葉の羞じらいはさほどでもなく、着せた孝平が受けた衝撃は大きくて。
「どうかしたの?」
「……やばい。やばすぎる。予想していたよりもすごく、危険だ」
男があまりにも不自然に固まっていたから桐葉は首をちょこんとかしげて問いかけ、問われたことで孝平はなんとか我に返り、内に籠もった衝撃を言葉で外に逃がす。
孝平は、熱を帯びた誉め言葉にして己の愚かさを白状する文言をくどくどと繰りかえしてから、
「それ着てもらって海へ行こうと考えてたんだけど、危ない。考えなおす」
言い切って、うんうんと納得した。
呼吸も落ち着いて、孝平はきらめく白い肌と艶かしい黒い水着に目を細める。
「着てくれて、ありがとう。お礼に、俺ができることならするぞ」
「この水着、もらっていいんでしょ」
静かな桐葉の言葉に、大いにうなずく。
「それはもちろん、当然だ。それ以外に、なにかあれば」
「じゃあ、もっと私を見て」
「え!?」
見るなと言われない限り、いくらでも見るつもりだったから、孝平は言葉の意味を掴みかねて驚き顔を返してしまう。
桐葉は頬を染めたまま、艶やかにほほえむ。
「貴方が喜んでくれることが、私へのごほうびよ」
「そ、それはあの、あまりに俺が有利というか、光栄というか……綺麗で、エッチで、やっぱり危険で」
「どれくらい危険なの?」
くすっと笑い、舌でちろりと唇を舐めまわした。妖艶きわまる桐葉に、あせる孝平の頭は沸騰、いままで保てていたのが不思議だった理性があっという間に蒸発した。きわどい黒ビキニを着て男の前に立つのがいかに危険であるか、身を持って教えようとする。
でもそれは、恋人である孝平が教えたところで桐葉にとって「危険」とは程遠く、黒い水着をまとう黒髪美少女は責められるたびに悦びの声をさんざんあげて、
「暑い夏にぴったりの素敵な水着ね」
と、ふたり汗まみれになったあとで涼しそうにコメントした。孝平は息があがっていて、気の効いた言葉どころかなにも言いかえせなかった。
本編でもデレた後の桐葉は可愛いですが、今回のような、子供のような孝平をあやすようなところも桐葉らしいなぁ、と思います。まぁ…“あやす”ではすまないのですが…。
この桐葉の絵は、下のエントリーでも描いたように、偶然黒水着になったのですが、はたして白水着は似合うのか実験。

…激しく似合わないことに、妙に安心してしまうブタベ。
本編では(スク水以外の)水着のシーンはなかったはずなのに、どうして当然のように黒になったんだろう…謎です。
「ごほうび」もおねだりする相手次第では危険なことに…?
【『FORTUNE ARTERIAL』 Short Story 「彼女のごほうび」 by やまぐうさん】
「なあ、桐葉。俺、模試で頑張って、いい点取るよ」
「いい心がけね」
六年生の夏になり、孝平は目標の大学を定め、日々猛勉強に励んでいる。今日も机で桐葉と向かい合い、数学を教えてもらっていた。
今週末に学外で行われる模試で合格圏に入るのが当座の目標。
「それで、いい点取れたら、ごほうびくれないか?」
「……ろくでもない心がけね」
「だめですか?」
普段は押すことが多い孝平が、ここでは引き気味。引いたといってもあきらめたわけでなく、ちらちらと見上げる目で願い続けている。
「それは、どういうごほうびかに依るわ」
瞬時に切り捨ててもおかしくなかったのは昔のこと。今では孝平を愛しているという自覚を持っているから桐葉も度量のあるところを見せる。
「えっと、実は――」
孝平は、前々から考えていた“ごほうび”を打ち明ける。
遠慮めいた彼の提案に、桐葉はたっぷり一分間考えこんでから、
「いいわ」
受け入れた。
「やったー」
「ごほうびが無駄にならないよう、せいぜい頑張りなさい」
桐葉が彼女らしく励ましたときにはもう、孝平は一心不乱に問題に取り組んでいた。現金な彼氏に黒髪少女は苦笑しながらも、温かく見守る。
桐葉に約束してもらえたのが効き、孝平は夏休みはじまってすぐの模試で予想以上の高得点を叩き出した。このまま行けば安全圏という判定結果を桐葉に見せたときには、ほくほく顔。
「じゃあ、よろしく」
孝平が“ごほうび”を桐葉へ手渡し、桐葉は浴室へ消えていった。

「これで、いいのね。ごほうびって」
「……」
しばらく待つことになるだろうと思っていたら、桐葉はすぐに戻ってきた。自分が用意したものだから知りすぎるほど知っていたのに、孝平は動けなくなる。ビキニの水着はそれ単体ではなんら意味がなく、女が着てこそのものだという当たり前のことを失念していた。
着てもらいたいと望んで用意したのは、単なるビキニじゃない。トップの三角は乳輪を隠すだけの面積しかなく乳丘を露出させる。ボトムはスーパーローレグ、ぎりぎりきわどいところを突いている。いや、前面はぎりぎりだが、背面はアウトと判定されてもおかしくない。
「貴方がごほうびにした理由がわかったわ」
水着ということは聞いていたが、デザインについては今着てみて桐葉も初めて知った。押さえつけられる部分の少なさを皮膚に感じ、浴室の鏡に映した煽情的姿を目で確かめ、しかしため息はつかなかった。孝平が“ごほうび”として要求するものなら、それなりに過激だろうと覚悟していたから。
着ることになった桐葉の羞じらいはさほどでもなく、着せた孝平が受けた衝撃は大きくて。
「どうかしたの?」
「……やばい。やばすぎる。予想していたよりもすごく、危険だ」
男があまりにも不自然に固まっていたから桐葉は首をちょこんとかしげて問いかけ、問われたことで孝平はなんとか我に返り、内に籠もった衝撃を言葉で外に逃がす。
孝平は、熱を帯びた誉め言葉にして己の愚かさを白状する文言をくどくどと繰りかえしてから、
「それ着てもらって海へ行こうと考えてたんだけど、危ない。考えなおす」
言い切って、うんうんと納得した。
呼吸も落ち着いて、孝平はきらめく白い肌と艶かしい黒い水着に目を細める。
「着てくれて、ありがとう。お礼に、俺ができることならするぞ」
「この水着、もらっていいんでしょ」
静かな桐葉の言葉に、大いにうなずく。
「それはもちろん、当然だ。それ以外に、なにかあれば」
「じゃあ、もっと私を見て」
「え!?」
見るなと言われない限り、いくらでも見るつもりだったから、孝平は言葉の意味を掴みかねて驚き顔を返してしまう。
桐葉は頬を染めたまま、艶やかにほほえむ。
「貴方が喜んでくれることが、私へのごほうびよ」
「そ、それはあの、あまりに俺が有利というか、光栄というか……綺麗で、エッチで、やっぱり危険で」
「どれくらい危険なの?」
くすっと笑い、舌でちろりと唇を舐めまわした。妖艶きわまる桐葉に、あせる孝平の頭は沸騰、いままで保てていたのが不思議だった理性があっという間に蒸発した。きわどい黒ビキニを着て男の前に立つのがいかに危険であるか、身を持って教えようとする。
でもそれは、恋人である孝平が教えたところで桐葉にとって「危険」とは程遠く、黒い水着をまとう黒髪美少女は責められるたびに悦びの声をさんざんあげて、
「暑い夏にぴったりの素敵な水着ね」
と、ふたり汗まみれになったあとで涼しそうにコメントした。孝平は息があがっていて、気の効いた言葉どころかなにも言いかえせなかった。
本編でもデレた後の桐葉は可愛いですが、今回のような、子供のような孝平をあやすようなところも桐葉らしいなぁ、と思います。まぁ…“あやす”ではすまないのですが…。
この桐葉の絵は、下のエントリーでも描いたように、偶然黒水着になったのですが、はたして白水着は似合うのか実験。

…激しく似合わないことに、妙に安心してしまうブタベ。
本編では(スク水以外の)水着のシーンはなかったはずなのに、どうして当然のように黒になったんだろう…謎です。
>冥界の性神官様
おかしい…本人の紹介では「品行方正な優等生神官」のはずなのに…邪念だらけだというのか(^^;ブタベストPERFECT GIRL…?No Titleこんばんは、いつも見ているゾ。
>担当声優沢澤砂羽さんの声は演技力高くて中毒性がありますねー。
冥界の性神官様ェ・・サツキヒスイ冬が始まる…よ?もうすぐ春ですねぇ、と春分直前に言う人ついに春になってしまいました…返信できてなくてすみませんです。
> なぜか不正な投稿扱いに…なんでだ
むむ、すみません。
イマイチFC2ブログのセキュリティの網はブタベスト冬が始まる…よ?ようやく寒くなってきましたコメントを書こうとしたらなぜか不正な投稿扱いに…なんでだ。
恐ろしく暖かいかと思えば急激に寒くなったりと変動が激しいですね。
こちらも文章や改造絵が遅々としてひでやん